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青函連絡船記念館「摩周丸」で、連絡船の歴史を体感

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函館市青函連絡船記念館摩周丸は、1965年6月30日から1988年3月13日の青函連絡船が終航するその日まで活躍した摩周丸(2代目)を改装したもの。かつて青函連絡船が発着したJR函館駅近くの桟橋に係留されており、青函連絡船の80年に渡る歴史を伝える記念館として1991年に開館しました。
外観や部屋割りが運航当時とは一部変わったものの、館内には青函連絡船にまつわる資料や備品が多数展示されているほか、操舵室や通信室がほぼ当時の姿で残されており、青函連絡船に思い入れのある方はもとより、青函連絡船を知らない世代の方、そして何より船に興味のある方におすすめの施設です。
 
青函連絡船のあゆみ展示室
110509X02.jpg3階の展示スペースは、大きく3つに分かれています。現役時代は「グリーン指定席」や「寝台室」といった船室があったところです。
 
まず、連絡船あゆみの展示室。青函連絡船の歴史をまとめたパネルや、歴代の青函連絡船を700分の1の大きさで精巧に再現した模型、1/100の摩周丸(初代と2代目)の模型が展示されているほか、実際に使われていた貴重な品々を見ることができます。また、プラレールを用いて貨車の積み下ろしの風景を再現した模型では、連絡船特有の貨車甲板と陸地のレールを結ぶ「可動橋」がしっかりと再現されています。
 
質問すれば、元連絡船乗組員のボランティアや職員から解説を受けることができます。
 
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運航を記録したログブック
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寝台室を彩った「飾り毛布」
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船内で発行された乗車券類
         
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実際に使用されていた制服
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1/100の初代摩周丸の模型
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貨車の積み下ろしの再現模型
 
グリーン指定席と普通船室の座席
青函連絡船で使用されていた座席(椅子席)は3種類ありますが、そのうち2つが3階の青函連絡船のあゆみ展示室に設置され、実際に座ることが出来ます。
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グリーン指定席で使用されていた一人掛けの座席。背もたれをほぼ水平まで倒すことが出来るほか、座席ごとに読書灯が設置されており、当時の国鉄の特急列車の一般的なグリーン車の座席よりも豪華な装備といえるでしょう。
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普通船室のうち椅子席で使用されていた座席。当時の特急の普通車座席に相当する仕様で、リクライニング機構等は一切無く、座席の下には船らしく救命胴衣を入れるスペースがあります。よく見ると栓抜きが残っています。
 
カーペット敷きの普通座席(升席)
110509X11.jpg青函連絡船には、椅子席のほか、カーペットに直接座ってくつろげる「座席(いわゆる升席)」がありました。普通船室にあった実物は非公開となっていますが、4階の多目的ホール(旧消音器室)の一角に実物部品を用いて再現されていて、生地にもこだわって再現されたカーペットに座ったり寝転んだりできます。
 
なお、1区画ごとに仕切られた「グリーン升席」がほぼ当時のままの姿で残されており、3階の通路から窓越しに見学することが可能。そのほか、読書灯付きの二人掛けのリクライニングシート「グリーン自由席」も窓越しに見られます。
 
 
 
 
船のしくみ展示室
110509X12.jpg3階のもうひとつの展示スペースは、青函連絡船の特徴的な構造や運航システムを学べる「船のしくみ展示室」。実際に使用されていた各種部品や備品類のほか、青函連絡船の特徴であった「車両航送」の仕組みを再現した模型などが展示されています。
 
車両航送とは、海峡などで分断された鉄道と鉄道をつなぐ「海の上のレール」と言えます。函館桟橋と青森桟橋には、連絡船上の貨車甲板の線路と陸地の線路とをつなぐため、潮の干満に合わせて橋桁が上下する特殊な橋「可動橋」が設置され、貨車や荷物車、郵便車といった車両を連絡船へそのまま出し入れできるようになりました。
 
 
 
 
 
 
 
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風速計などの機器類や気圧計
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耐火服や救命胴衣といった装備品
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可動橋の精巧な模型
 

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この展示室には、2014年から非公開部を見られる遠隔モニターが設置されています。
 
就航時の姿を色濃くとどめている車両甲板や第一主機室、総括制御室は、中に立ち入ることができないため、一般の方はこれまで目にすることがありませんでした。そこで、これら3カ所にカメラが設置され、船のしくみ展示室に設置されたパソコンから操作して、中の様子が見られるようになりました。大型モニターに映し出される画像は思いのほか鮮明で、かつて貨物車両を積み込んで運航したイメージがつかめます。
 
このほか3階には前方展示室もあり、喫茶サービスカウンターのある「ニューサロン海峡」と無料休憩所があります。
 
 
屋外甲板の見どころ
屋外の甲板に出てみましょう。
4階の航海甲板には、摩周丸で使用されていた可変ピッチプロペラやアンカーチェーン、救命いかだ、救命艇等が展示されています。
就航時にはなかったことですが、3階の遊歩甲板の後部には、後に自動車を積むようになりました(通称、自動車甲板)。青函連絡船が運んだのは、貨車や人だけではないことをご存知でしょうか。函館と青森の桟橋に車を積み下ろしする為の設備を持ち、乗用車やバイクをこの区画に積み込んでいたとのこと。甲板の色は、もともとは青みがかった濃いグレーで、展示船となったあとは薄いグレーとなっていましたが、現在は明るいブルーに塗られています。
 
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船の中枢部「操舵室」と「通信室」
現役運航時代ならほぼ立ち入ることのできなかった操舵室や通信室がほぼ当時のまま残っており、自由に見学が可能です。
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ほぼ往時のままの操舵室からは函館港や函館山が一望でき、現役当時から使用されている据置型の双眼鏡を覗くと、入出港する船の姿が細部までよく見えます。また、舵輪をはじめ、各種操船機器にさわることもできます。
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通信室には当時の通信機器や気象ファックス等の備品が残されており、モールス信号の打電を体験することができます。運がよければ、元通信長さんからモールス信号の打ち方を丁寧に教えてもらえるかもしれません。
 
2011/5/9公開
 
青函連絡船記念館摩周丸
函館市若松町12番地先 0138-27-2500
入館料 一般500円 小中高250円 幼児・未就学児童無料
 
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