北海道新幹線・木古内駅、途中下車の旅
-
足をのばして欲張り旅
-
鉄道
-
道の駅
2016年3月26日、北海道新幹線が開業しました。現在、北海道内には2つの新幹線駅があり、終点「新函館北斗駅」だけでなく、北海道の玄関口「木古内駅」にも多くの旅行客が訪れ、にぎわいをみせています。特に注目は、新規開業の「道の駅 みそぎの郷 きこない」と「道南いさりび鉄道」。函館に向かう新幹線を途中下車して、とっておきの寄り道旅はいかがですか。小さな町の魅力や、ローカル列車、沿線の見どころをご紹介しましょう。
◆自然豊かな木古内町、新幹線の停車は上下各8本
木古内町は函館から南西に車で約1時間の距離にあり、海と山に囲まれて自然が豊かなところ。JRの北海道新幹線と道南いさりび鉄道が発着する交通の拠点で、城下町「松前町」や、いにしえ街道「江差町」などに向かうバスにも接続しています。
町の中心部にある木古内駅は、青函トンネルを走り抜けた北海道新幹線が最初に停まる駅として、注目を集めています。木古内に停車する新幹線は、上下とも一日8本。東京から最速で4時間、終点の新函館北斗駅までは13分で到着します。
【北海道新幹線 木古内駅停車ダイヤ(下り抜粋)】
※2022/3/12ダイヤ改正
はやて91号(新青森6:32 ⇒奥津軽いまべつ⇒ 木古内 7:22)
はやて93号(盛岡6:54⇒二戸・八戸・七戸十和田・新青森⇒木古内8:46)
はやぶさ1号(東京 6:32 ⇒ 大宮・仙台・盛岡・八戸・新青森など ⇒ 木古内10:41)
はやぶさ19号(東京10:44⇒ 大宮・仙台・盛岡・八戸・新青森など ⇒木古内14:49)
はやぶさ23号(東京12:20 ⇒ 大宮・仙台・盛岡・八戸・新青森など ⇒ 木古内16:18)
はやぶさ25号(東京13:20 ⇒ 大宮・仙台・盛岡・八戸・新青森など ⇒ 木古内17:01)
はやぶさ31号(東京15:20 ⇒ 大宮・仙台・盛岡・八戸・新青森など ⇒ 木古内19:31)
はやぶさ39号(東京17:20 ⇒ 大宮・仙台・盛岡・八戸・新青森など ⇒ 木古内21:32)
※詳細時刻表はこちら
◆まずは立ち寄りたい、駅正面の「道の駅 みそぎの郷 きこない」
木古内駅南口を出てすぐ正面にある建物は、道の駅 みそぎの郷 きこない。木古内のご当地キャラクター、特産の「はこだて和牛」をモチーフにした「キーコ」がメインエントランスで出迎えてくれます。2016年のオープン以来、連日大にぎわいです。
おみやげ・特産品売場
木古内の特産品は、肉質が柔らかく上品な風味が特徴の「はこだて和牛」や、荒海にもまれて育った肉厚プリプリの「帆立て」、町内で収穫された米で造られた純米酒「みそぎの舞」など。ショップでは、魅力的な産直品をはじめ、北海道や青函(青森~函館)エリアの有名銘菓なども取り扱っています。
観光案内コーナー
木古内ばかりでなく、松前、江差、上ノ国など周辺の町の旬でディープな観光情報に精通する観光コンシェルジュが常駐し、気軽に旅の相談に応じてくれます。
どうなんde's
館内に併設されているレストラン「どうなんde's(どうなんデス)」も大人気。肉や魚介、野菜など、地元の食材を使ったイタリアンが楽しめます。
◆木古内町のおすすめ観光スポット
木古内駅で途中下車したら、次に移動する電車までの待ち時間などに、町内を探検してみるのもおすすめ。ユニークなスポットがいろいろあります。
薬師山(駅から徒歩20分)
標高72メートル、山頂からは街の中心部や津軽海峡を一望でき、天気のいい日には青森県の下北半島が見られることも。毎年5月になると山の中腹に芝桜が咲き、人々を魅了します。登山ルートには木段が整備されていますが、少々急なので、歩きやすい靴でお出かけを。
佐女川神社(駅から徒歩10分)
薬師山のふもとにある神社。毎年1月13日~15日に行われる神事「寒中みそぎ祭り」で、行修者と呼ばれる4人の若者がここにこもり、昼夜を問わず真水で何度も自身の身体を清め、鍛錬が行われる場として有名です。
みそぎ浜(駅から徒歩7分)
道の駅からまっすぐ海辺へ進むと、砂浜の広がる海岸「みそぎ浜」に着きます。 こちらでは毎年の寒中みそぎの最終日、4人の行修者が厳寒の海に飛び込んで4体のご神体を清め、一年の豊漁・豊作を祈願します。大きな鳥居をくぐって浜辺に立つと、祭りの雰囲気が想像できるでしょう。
サラキ岬(駅から車で15分)
明治時代に軍艦「咸臨丸」が座礁し、今も海底に眠るといわれている場所。海を見下ろす岬にモニュメントが設置され、誕生の地オランダにちなんだチューリップ花壇が、5月には見頃になります。道南いさりび鉄道の釜谷駅~泉沢駅の車窓からも眺められます。
木古内町郷土資料館(いかりん館)(駅から車で8分)
廃校になった小学校の校舎を利用して作られた資料館。木古内町の歴史を学べるスポット。サラキ岬沖に沈没した幕末の軍艦「咸臨丸」のものと見られるイカリを展示しています。
道南トロッコ鉄道(駅から車で8分)
木古内町郷土資料館の近くにある体験施設。2014年5月に廃止されたJR江差線(木古内-江差)の旧渡島鶴岡駅周辺の線路を利用して、トロッコの乗車体験ができます。タイミングが合えば、北海道新幹線や貨物列車の通過に遭遇することも。
新幹線ビュースポット(駅から車で約5分)
木古内駅から青函トンネル寄りに造られた展望台。新幹線と在来線が分岐しているポイントが見られることから鉄道ファンに人気があります。展望台内には無料の固定式双眼鏡が1台設置されており、新幹線や貨物列車が走り抜ける迫力ある姿も楽しめます。
町内を気軽に巡るなら、レンタサイクルが便利。大人用は4時間まで500円、道の駅にて1日(営業時間内)1000円で借りられます。駅から遠い観光スポットにお出かけの際には、ぜひ活用してみましょう。問い合わせ先 木古内町観光協会01392-6-7357
◆函館に向かうローカル線「道南いさりび鉄道」
2016年3月、北海道新幹線の開業に伴い、函館(五稜郭駅)と木古内を結ぶJR江差線が、地域の公共交通機関「道南いさりび鉄道」に生まれ変わりました。木古内~函館の所要時間は約1時間、運賃は大人片道1170円。新幹線とはまた違う魅力のローカル列車に乗って、函館に向かってみませんか。沿線にも見どころがいろいろあります(時刻表と運賃はこちら)。☆
道南いさりび鉄道で走る車両の中には、外観や内装を改良した、地域情報発信列車「ながまれ号」があります。ながまれとは、沿線地域の方言で「のんびりして」という意味。観光団体用に車内で食事が楽しめるようなテーブルやヘッドレストを設置した特別仕様で運行することもありますが、普段は一般運行の列車として走っています。 ☆
道南いさりび鉄道のウェブサイトで、ながまれ号車両の運行予定表が掲載されています。
道南いさりび鉄道の魅力のひとつが、沿線の風景。木古内駅を出発すると、右手に津軽海峡が見えてきます。☆
途中で並行して走る国道228号線より高い位置を走るため、函館湾が見渡せ、湾の先にはまるで島のような、存在感たっぷりの函館山も見られます。
海から離れ、上磯駅に近づくにつれて、大きな工場が見えてきます。これは太平洋セメント株式会社 上磯工場。現在稼働中のセメント工場としては国内最古といわれています。
また、夜は函館の街灯りが横に広がり、時期によってはイカ釣り漁船の漁火も見え、旅情がかきたてられます。
道南いさりび鉄道の沿線をめぐる旅をするなら、おすすめなのが「はこだて旅するパスポート」。JR、函館バス、函館市電、道南いさりび鉄道線が1日、または2日間乗り放題となる乗車券で、列車乗降時にチケットを提示するだけで利用OK。いちいち切符の購入や乗車料金支払いの必要がなく、とても便利です。また、提携施設でお得なサービスを受けられます。JR函館駅、五稜郭駅、新函館北斗駅、木古内駅などで購入できます。
◆道南いさりび鉄道沿線、途中下車スポット
トラピスト修道院(渡島当別駅から徒歩20分)
明治時代に欧米から9人の修道士たちがこの地を訪れ、創設された日本最初の男子トラピスト修道院。修道院で作られるトラピストバターやクッキー、バター飴、ジャムは、北海道を代表する観光みやげ品として知られています。直売店で購入可能。
茂辺地川(茂辺地駅から徒歩5分)
函館湾に流れ込む河川で、鮭の遡上風景が間近に見られることで有名。毎年文化の日には、河川敷で北斗市茂辺地さけまつりも開催されています。すぐ上を国道228号線が通る河口付近からは、函館山がよく見えます。
貝鮮焼 北斗フィッシャリー(上磯駅から徒歩10分)
地元の貝が気軽に食べられるイートイン型直売施設。北斗市のホッキ貝をはじめ、木古内町のホタテ、知内町のカキなどを、鉄板で蒸し焼きにして食べられます。
Coffee Room FLOAT(東久根別駅から徒歩8分)
波の音やカモメの鳴き声が聞こえる海沿いの喫茶店。海越しに函館山が見える落ち着いた店内で、ゆったりとした時間を過ごせます。
いかがでしたか。北海道新幹線&道南いさりび鉄道の開業でぐーんとワイドになった函館近郊の旅。ダイヤを眺めながら、お気に入りのプランを立ててみてください。
☆は道南いさりび鉄道提供
2016/6/10公開