函館は、温泉(日帰り入浴施設)が充実した街です。
ほとんどの施設が大人400円前後と銭湯料金でありながら、自慢のお湯と、工夫を凝らした露天風呂やジャグジー、サウナ、ボディケア、食事処、無料休憩室など、スーパー銭湯並みの様々なサービスを展開しています。
函館市民の生活と切っても切り離せない温泉の世界に、みなさんをご案内しましょう。
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◆「イベント+温泉」で楽しむのが函館スタイル
函館には、都市の規模の割に、どうしてたくさんの施設があるのでしょうか。 最大の理由は、函館は那須火山帯の北部に位置しており、湯の川温泉周辺のみならず、市内のあちこちで、比較的容易に天然温泉を掘り当てることができるから。そして次の理由に挙げられるのが、函館市民がたいへんな温泉好きだから、ということが言えるでしょう。
春は、花見やドライブの帰りに、温泉。 夏は、海水浴やキャンプの帰りに、温泉。 秋は、登山やパークゴルフ、紅葉狩りの帰りに、温泉。 冬は、ウィンタースポーツや、雪かきの疲れを癒すために、温泉。
こうして何かと理由をつけて、夫婦で、カップルで、家族で、友人同士で、時にはひとりで温泉を楽しむのが函館市民の特徴であり、その市民のニーズに応えて新しい施設が誕生する、といった状況が1990年代から今もなお続いています。
◆源泉かけ流しのぜいたくなお湯でリラックス
自宅にお風呂があるにも関わらず、なぜ、ひんぱんに温泉へと出かけるのか。それはもちろん「温泉は、自宅のお風呂と違ってあずましいから」の一言につきます。「あずましい」とは函館弁で、とても落ち着く、心地よい、快適である、という意味の言葉。そういう意味では、特に開放感のある露天風呂は欠かせないもので、ゆったりとした十分な広さのある浴槽に身を沈めて手足をのばせば、心身ともにリラックス。ちょっとした旅行気分も味わえます。
また、ほとんどの施設が源泉かけ流し(循環利用なし)にこだわり、自慢の湯をアピールしているのも特徴。加水している施設も、源泉温度が高すぎるためにごくわずかに加水する、といった程度ですのでご安心を。冬は身体の芯までじっくりあたたまることができて、湯冷めしにくいのも嬉しいところです。
◆マイ「温泉セット」持参が、温泉愛のあかし
市民に気軽に訪れてもらうため、銭湯価格で提供するのが魅力でもあるこれらの施設では、シャンプー、リンス、ボディソープ(石鹸)、タオル、バスタオル等の備え付けがないところがほとんど。各自、必要なものを自分で用意します(売店で販売している施設もあり)。市民は「温泉セット」を準備し、いつでも温泉に行けるようスタンバイしています。
ちなみに、うちでは100円ショップのプラスチックかごや、底とサイドがメッシュになっているスパバッグに必要なバス用品を入れて、タオルや着替えと一緒に持っていきます。
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◆温泉のあとは、牛乳やソフトクリーム!
入浴後は、広い無料休憩室でホッと一息。北海道産の新鮮な「びんの牛乳」や、ソフトクリームを楽しむのがお約束です。
飲食メニューを提供する施設では「飲食物の持ち込みはご遠慮下さい」とありますが、
「市営谷地頭温泉(谷地頭)」には食事施設がないので、休憩室で持参のお弁当を広げるかたも多く見られます。
このように温泉が魅力の街・函館で、旅の疲れを癒してみるのはいかがでしょう。
おいしいものを食べに行くついでに、また足をのばしてドライブする途中で、温泉に立ち寄るのは極上の楽しみ。
いろいろなタイプの魅力ある施設がたくさんあるので、どれにしようか迷うほどですね。
もしかしたら、笑顔でくつろぐ函館市民と遭遇するかもしれません。
2011/3/1公開 ※撮影協力:函館乃木温泉なごみ
●市街地の立ち寄り温泉 駐車場完備、充実した設備や様々なサービスで集客に力を入れています。
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湯元 花の湯(桔梗町) 造園会社が経営する「庭園露天風呂」が話題
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湯元 漁火館(根崎町) 海に臨み、潮騒を聞きながらの露天風呂が魅力
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谷地頭温泉(谷地頭町) 朝6時から営業。露天風呂では函館山の自然を満喫
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●郊外・市外の温泉施設 車などで遠出するときに予定に組み込みたい、個性的な温泉施設もいろいろあります。
※七飯町・森町・鹿部町の温泉をめぐる「環駒冬の湯めぐり手形」もあります(2012年3月20日まで)
●手軽に楽しめる足湯 時間があまりないときには、街中で気軽に温泉気分が味わえる「足湯」もおすすめ。