昔ながらのすっきり味、函館の塩ラーメン
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美味
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ラーメン
函館の人気グルメのひとつ、塩ラーメン。ラーメンの本場・北海道で、札幌の味噌、旭川の醤油と並んで、函館の塩は三大ラーメンのひとつとして愛されています。函館でラーメンが登場したのは1884(明治17)年。当時の函館の新聞に「南京そば15銭」という広告が載っており、日本最初のラーメンは函館で食べられたのではないかとも言われています。こだわりの麺とスープでしのぎを削る函館市内のラーメン店は、現在約150店。歴史と伝統ある函館塩ラーメンの、人気の秘密を探ってみました。
◆函館塩ラーメンの神髄、すっきりと透明なスープ
函館の塩ラーメンの美味しさの特徴は、まず何といっても、すっきりと透明なスープにあります。さっぱりとしているうちに、深い旨みが潜んでいて、スープだけ一口、一口味わっていくうちに、飽きることなく最後まで飲み干してしまうという人が多いのもうなずけます。
塩ラーメンの達人、「函館ラーメンえん楽」の吉川さんに話を聞いてみました
※同店は2024年2月28日に閉店しました。
(※取材はベイエリアで営業していた函館塩ラーメン専門店「えん楽」で。トッピングや麺などは千代台時代とは異なります)
「昔ながらの塩ラーメンの透き通ったスープを作るには、豚骨や鶏がら、昆布、ほたて貝柱、香味野菜などを入れた寸胴鍋を、にごりを出さないように火加減に細心の注意を払いながら、じっくりと火にかけます」。
時間を惜しまずにていねいにスープをとることで、雑味がなく、複雑な旨みだけが溶け合った、透明感のある函館塩ラーメンができ上がるというわけです。
注文が入るとスープを小鍋に移し、秘伝の塩だれで味つけ。それを丼に移して、麺の茹で上がりを待ちます。
◆のど越しのいいストレート細麺
函館塩ラーメンのもうひとつの特徴は、麺にあります。あっさりとしたスープとの相性がよく、味がなじみやすいよう、ストレートタイプの細麺が多く使われます。「はるゆたか」など、北海道産小麦を使う店も増えてきているようです。
沸騰したたっぷりのお湯でサッとゆでることにより、なめらかな食感で、喉越しのいい麺に仕上がります。
具のチャーシューも手作り。
店によって乾燥した麩を加えるのも、函館風。スープの旨みが染み込んだ麩の口あたりのよさは、格別です。
スープの味わいを生かすため、具はチャーシュー、長ネギ、メンマ、なるとなどのシンプルさ。青菜やわかめが入ると、色のバランスもよくなります。
吉川さんが「小さい頃に食べた昔ながらの味を再現した」という、函館っ子の懐かしの味のでき上がりです。
◆おすすめ塩ラーメンが食べられる店
【元町&ベイエリア】
豊川町12-7 函館ベイ美食倶楽部内
五稜郭の老舗ラーメン店の支店で、飲食複合施設内。
【駅前・大門エリア】
【五稜郭エリア】
【湯の川エリア】
湯川町2-4-21 090-2873-7173
主に湯の川温泉街で営業。小型バスを改造した移動式店舗。
2013/3/21公開
取材協力/吉川寿樹(函館ラーメンえん楽店長)
取材協力/吉川寿樹(函館ラーメンえん楽店長)
※内容は2013年時点のものです。