函館で味わう絶品ジンギスカン<その2>
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美味
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郷土料理
北海道の郷土料理として真っ先に名前が上がるジンギスカン。函館にも人気のお店がたくさんあります。
食欲をかきたてる香ばしい匂いと焼ける音、定番の生ラムや希少なタン、分厚いチョップ…
好みのジンギスカンを見つけてください。第2弾は住宅地にある名店を紹介します。
■炭火ジンギスカンひつじどし
クセのない豪産羊肉を昼も夜も気軽に味わう
桐花通沿いの「ひつじどし」は、2014年にオープン。昼から七輪炭火でジンギスカンが楽しめるランチ限定セット、毎月9のつく日を「ひつじの日」と銘打って提供する数量限定の食べ放題プランが人気で、歩いて訪れる近所の人も多い地域密着型店として親しまれている。
開店当時から店を預かる白石知之店長は、かつての料理長や肉の取引業者から、積極的に羊肉について学び磨いた目で、クセが少ないオーストラリア産羊肉にこだわって仕入れる。メニューはラム肉3種類、根強いファンがいる丸ロール、希少部位のラムタンの5点を豪華に盛り合わせた「羊肉五点盛り」セット、試行錯誤を繰り返して完成させた塩ダレをもみ込んだ肩ロースなどを用意。備長炭で自分好みに焼いた羊肉を引き立てる自家製ダレは、ユズ香る後味さっぱりのしょう油ダレ、ニンニクを利かせた甘口の味噌ダレの2種類で、オープン以来継ぎ足し、幾度も改良を重ねた奥行きのある味に、箸が止まらなくなる。
炭火ジンギスカン ひつじどし
函館市亀田本町29-25
11時~14時、17時~23時(各30分前ラストオーダー)
水曜定休、木曜はランチ休み(ほか不定休あり)
禁煙 駐車場あり キャッシュレス決済利用可
0138-76-6775
■北海道塩ジンギスカン 名前はまだ無い。
新鮮さが際立つ“塩”で羊肉の旨みを味わい尽くす
「北海道塩ジンギスカン 名前はまだ無い。」は、道内でも珍しい塩ジンギスカンの専門店。昼はミシュラン星付き和食店監修のラーメン店「海老麺総本家 地元家」、夜は函館の塩食文化を取り入れたジンギスカン店として営業し、暖簾だけを掛け替える隠れ家的業態ながら、道内外からファンが訪れ人気を集めている。
まず味わってほしいのが、1日5組に予約を制限し、少量仕入れで新鮮さにこだわる生ラム。やや厚めの8ミリカットでも焼き上がりは箸で切れるほどしっとりやわらかで、ガゴメ昆布塩や香草塩など3種類の塩を軽く付けて頬張ると、肉々しい赤身の旨みがダイレクトに感じられる。肉を覆い隠すほどたっぷりと道産ネギが乗る「ネギラム」は、ゴマ油の香りが食欲をそそる特製ネギ塩ダレに2時間ほど漬け込んであり、あふれる肉汁と羊肉ならではの味わいが引き立ち、あっさりとして絶妙な塩加減に何枚でも食べられる。ビールや赤ワインを合わせたくなるやや濃い目な味付けの自家製塩ダレもあり、塩から生まれる多彩なアレンジが新たなジンギスカンに出合わせてくれる。
北海道塩ジンギスカン 名前はまだ無い。
函館市亀田町14-1
18時~21時
※1日5組までの完全予約制 (当日予約も応相談)
月曜定休
禁煙 駐車場あり
キャッシュレス決済利用可
0138-85-6661
■成吉思汗 万代や
肉のプロの味を七輪焼きで舌の肥えた地元民が集う一軒
「成吉思汗 万代や」は、〝ゆうちゃん〟と呼ばれ親しまれる池田雄治店主を囲むように、カウンター席が円形に並び、七輪でジンギスカンを楽しむ年齢も性別もさまざまな人たちで大いに賑わう。「ここはいつも笑いがいっぱいで、知らない人とも自然とワイワイ語り合えるのはゆうちゃんの人柄のおかげ。来るたびに時間を忘れてパワーをもらえる」と常連客は口々に語る。
池田店主は大手食肉メーカーに25年間勤めていた肉のプロフェッショナル。昔ながらの「丸ラム」や定番の「生ラム肩ロース」、羊一頭から2本しか取れないヒレ肉「ラムテンダーロイン」や独特の歯応えがある「ラムタン塩」などの珍しい部位まで、上質な肉を厳選して仕入れ。余分な部分を取り除く肉の整形やカットを丁寧に施すのが味の秘訣という。「地元の方は自分以上にジンギスカンにこだわりがあると思っているので、とにかく良いものを出したくて」。納得いく肉が手に入らないと店を休むほど徹底して味を守り、来た人に喜んでもらおうと目を配る店主の心意気が、リピーターが後を絶たないゆえんだろう。
成吉思汗 万代や
函館市本通2-13-26
17時半~22時(21時半ラストオーダー)
水曜定休
禁煙 駐車場あり
キャッシュレス決済利用可
0138-31-3233
(この記事は、フリーマガジン「ハコラク」2024年4月号から再構成したものです)