日本最古のストーブ
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箱館はじめて物語
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歴史好きに
箱館の冬の寒さをしのぐため、安政3(1856)年、鋳物職人である源吉が製作したのが日本で最初のストーブ。レプリカが箱館高田屋嘉兵衛資料館に保存されている。
幕末に外国船が蝦夷に頻繁に訪れるようになると、幕府は当時松前藩が治めていた蝦夷を直轄することにしたため、多くの役人が蝦夷へとやってきた。彼らにとって蝦夷の統治、調査等の際に最大の敵となったのが、冬の寒さである。
安政3(1856)年、箱館奉行所は、役人の梨本弥五郎と、五稜郭の設計者である武田斐三郎(たけだあやさぶろう)を、実物のストーブのスケッチをさせるために、当時停泊中のイギリス船に送り込んだ(武田斐三郎は、長崎のオランダ商館にてクワヘヒル<オランダ語でストーブを意味する>を見ていた)。半年後、そのスケッチをもとに函館の鋳物職人である源吉が製作した6台こそ、日本で最初のストーブである。このストーブは1台86kgもあった。
現在はこのストーブのレプリカが、末広町の箱館高田屋嘉兵衛資料館(長期休館中)に保存されており、毎年11月には火入れ式が行われている。ちなみにこの場所は、北海道最初の造船所である「高田屋造船所」の跡地であり、一帯が埋立地である。淡路島出身の高田屋嘉兵衛は函館の港を大変気に入り、函館やその周辺の公共事業に大きく貢献した。日本初の西洋帆船「箱館丸」を建造した続豊治(つづきとよじ)は、この造船所で船大工の頭であった。
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箱館高田屋嘉兵衛資料館
問合せ先 | 箱館高田屋嘉兵衛資料館 |
所在地 | 函館市末広町13-22 |
電話番号 | 0138-27-5226 |
料金 | 大人(高校生以上)300円、小人(小・中学生)100円 |
定休日 | 長期休館中 |
アクセス | 市電 「十字街」電停 徒歩5分 |
駐車場 | 無 |