ハイカラ文化の香り、旧函館博物館の内部公開
-
その他記事ページ
-
レトロ
-
博物館・資料館等
函館公園にたたずむレトロな洋館。1878(明治11)年に建てられた、日本に現存するもっとも古い博物館建築です。翌1879年に開場されてから1966(昭和41)年まで、函館や北海道の自然や歴史、文化に関する資料を展示して親しまれてきた「旧函館博物館一号」。今は外から眺めることしかできませんが、年に2度、5月25日の開場記念日前後と、8月中旬の函館公園ファミリーフェスタの日にには一般公開されて、中を見学することができます。
140年以上の時を超えて、ハイカラ文化の香りを伝える小さな博物館。眠りからさめたその館内へとご案内しましょう。
◆自然光に包まれた、シンプルで洗練された空間
開かれた扉から中に入ると、展示室は仕切り壁のない、30坪ほどのワンルームというシンプルな造り。四方にとられた窓と真っ白な壁に囲まれて、光がやさしく広がっているのが印象的です。木の床もクラシックな雰囲気をかもし出しています。開場当時から電気も水道もありません。窓からの光とランプで明かりをとっていたそうです。
この日は、当時を伝える写真などがパネルで展示されていました。明治になってできた開拓使函館支庁が、函館や北海道の動植物や先住民族の物品に市民が親しめるようにと「博物場」を開設。展示棚を並べ、鳥や獣、虫、魚などが展示されました。
置かれている棚自体も当時の貴重なもの。鳥類のはく製(「ブラキストンライン」を提唱したブラキストンが明治13年に寄贈)などを飾っていた棚を眺めていると、タイムスリップしたような気分になります。
アンティークな飾り棚。これそのものが「文化財」です。
昭和の初めに掲げられた看板。
玄関上部には開拓使のシンボル北辰(北極星)が。看板はその上にありました。
公園の緑に囲まれて建ち、道をはさんだ隣には「旧函館博物館二号(非公開)」が見えます。
公園を見おろす玄関ポーチと、今はない別棟への扉。ドアノブまでお洒落なデザインです。
◆旧函館博物館一号、開場記念日の一般公開
1879年(明治12年)5月25日、函館公園内に開場された旧函館博物館一号。2010年から、この時期に内部の一般公開が始まりました。函館公園に明治の香りを感じにいらっしゃいませんか。
所在地 函館市青柳町17-5 函館公園内
入場料 無料
問い合わせ 市立函館博物館 0138-23-5480
関連記事
2012/5/11公開