箱館奉行所
市民や観光で訪れる人の憩いの場である五稜郭公園のほぼ中央に、解体から約140年を経て部分復元された箱館奉行所。マツの木に囲まれながらたたずむ姿は、幕末の時代にタイムスリップしたような威厳をたたえています。
箱館奉行の最初の設置は1802(享和2)年。奉行所の建物は、その翌年、当初は函館山の山麓(現在の元町公園付近)に建てられました。その後、江戸時代末期のペリー来航に伴って同じ場所に再設置されましたが、1864(元治元)年、防衛上等の理由で、ヨーロッパの城塞都市を手本に蘭学者・武田斐三郎が設計した、星形の五稜郭へ新築移転します。江戸幕府の崩壊とともに明治新政府へ引き継がれますが、蝦夷地開拓をめざして上陸した榎本武揚率いる旧幕府脱走軍が占拠。激戦の末に箱館を制圧した新政府軍からの艦砲射撃で被弾し、1871(明治4)年には開拓使の札幌移転にともない解体されます。その後、昭和後期になると、復元の待望論が持ち上がり、綿密な発掘調査、文献研究が進められた結果、 2010(平成22)年7月、見事によみがえりました。
玄関前のコケラ葺き屋根のスギ、玄関のケヤキ、柱の青森ヒバ、天井板や板戸の秋田スギ、屋根裏の梁には東北地方のマツ、さらには大広間の備後表の本畳など、できるだけ江戸時代と同一の産地・材料にこだわった復元を実施。屋根瓦は建設当時のまだらな色相を再現するために、越前産の赤系4色が用いられています。
最も高く突き出ているのが5階部分の太鼓櫓(たいこやぐら)。約 16.5メートルの高さで、時を告げたり、港を監視するための役割がありました。四間からなる72畳の大広間は、年中行事等が行われる箱館奉行所で最も重要な空間、さらに奥にある表座敷は奉行と外国領事等の重要人物との会談が行われた場所で、ともに格式の高さを感じさせます。中庭を横目に、次なる「歴史発見ゾーン」へ進むと、奉行所や五稜郭、箱館戦争の歴史をパネルで紹介。見上げると天井の一部が開放されていて、頑丈な梁を確認できます。さらに映像シアターでは、復元に関わった職人が、資料に忠実にその工法等を再現していく様子が放映されています。復元されたのは庁舎全体の3分の1に過ぎないとはいえ、隅々まで見ていると時間を忘れてしまうほどです。建物周囲には、未復元の遺構が表示されています。
なお、2023年1月2日~3日のお正月期間中は、午前9時~午後3時までの特別開館となります。
なお、2023年1月2日~3日のお正月期間中は、午前9時~午後3時までの特別開館となります。
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詳細情報
住所 | 函館市五稜郭町44番地 |
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アクセス情報 |
市電 「五稜郭公園前」電停 下車 徒歩18分 ※JR五稜郭駅からは公共交通の便がわるいため、JR函館駅から市電・バスのご利用をおすすめします |
電話番号 | 0138-51-2864 |
利用時間 |
9:00~18:00(4~10月)、9:00~17:00(11~3月)、9:00~15:00(1月2~3日)※最終入館はいずれも閉館時間の15分前 |
休日 |
12月31日~1月1日、臨時休館日(2023年は1月16日、2月20日) |
利用料金 |
大人 500円 小人 250円 未就学児 無料 |
駐車場 |
なし |
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