石川啄木歌碑
函館公園内で東屋を頂に備える、明治山(通称すりばち山)のたもとに、歌碑がひっそりと建っています。地元の百貨店が1953(昭和28)年に建立。碑面には、石川啄木が詠んだ「函館の青柳町こそかなしけれ 友の恋歌 矢ぐるまの花」の短歌が彫られています。文字は啄木の草稿から集めて拡大したもので、手の指でなぞると、啄木の鼓動が伝わってきそうです。
「青柳町」は、1907(明治40)年に渡航してきた啄木が居住した場所。文学好きな若者で作るグループ「苜蓿社(ぼくしゅくしゃ)」のメンバーに加わって活動したほか、離れて暮らしていた家族を呼び寄せて生活を営んでいました。函館に来てから大火に遭って札幌に発つまで132日間という短い滞在でしたが、啄木にとっては最も思い出深く、愛着ある土地だったはず。歌に町名を取り入れているのはその証で、地元住民にとっての誇りでもあります。
なお、平仮名書きの「かなしけれ」は決して、「悲しけれ」「哀しけれ」ではないでしょう。歌に書き残すほどの思い入れからすると、「愛しけれ」と解釈するのが妥当のようです。
最後の「矢ぐるまの花」は、ヤグルマギクを指すと考えられています。花の色は白、紅、ピンク、紫など多様で、函館では初夏を彩ります。啄木が過ごしたのは5~9月ですから、いつも道端で目にしていた花なのかもしれません。ちなみにヤグルマギクの花言葉は「幸福」「繊細」「優雅」。どれも啄木の生き方、作風に当てはまりそうです。
関連記事
カテゴリー
-
元町・函館山
-
史跡・碑(市内)
-
ゆかりの人
-
歴史好きに
-
自然が豊か
-
市電から徒歩5分以内
-
車イス対応トイレ
-
オムツ替えスペース
詳細情報
住所 | 函館市青柳町17 函館公園内 |
---|---|
アクセス情報 |
市電 「青柳町」電停 下車 徒歩5分 |
問合せ先 | 函館市住宅都市施設公社 公園管理部 西部公園事務所 |
電話番号 | 0138-22-6789 |
駐車場 |
あり(障がい者用のみ4台) |