石川啄木座像(啄木小公園)
青年時代に啄木の詩に触れ感銘を受けた本郷新(1905~1980、札幌市出身)は、彫刻家として啄木の像をいつかつくりたいと思っていました。その願いがかない、53歳の時に制作した作品です。
写真を参考にしましたが、本人に似せた肖像彫刻としての啄木の姿ではなく、本郷が感銘を受けた詩人啄木にするために、内面を深く追及した造形を目指しました。「考える人間啄木」であり「もの思う人啄木」です。
函館の啄木について本郷は、「散歩するのに、はかまをはいて歩くのが常だったから、かすりの着物にはかま、素足と下駄の姿、しおれてものを思うのではなく、何か抗しつつ、ものを思うというような感じがほしかった。その抗して思う対象は、われでも、生活でも、社会でも世界でもいい、とにかく、それに向かって物を思う啄木。それで、低い石に腰を下ろさせて見た。22歳頃、初めて詩集をもって函館に渡ったという話なので、左手に本をもたせ、文学者であることも付け加え、着物も袴も石も荒けずりの面を生かして、ごつごつとしたものの方が似合うように思った」とあります。
台座には、「潮かおる北の浜辺の砂山のかの浜薔薇(ハマナス)よ今年も咲けるや」の歌が刻まれています。歌の字体は、啄木の直筆との意見もありましたが、きっちりした形の文字を希望した本郷が、髙橋錦吉氏に依頼し、活字体のような文字になりました。
啄木の石膏原型は、函館市文学館2階に展示されています。
補記
1958年、石川啄木像建設期成会によって啄木ゆかりの大森浜に寄贈され、1977年、国道拡幅工事に伴って現在の「啄木小公園」に移設されました。
1958年、石川啄木像建設期成会によって啄木ゆかりの大森浜に寄贈され、1977年、国道拡幅工事に伴って現在の「啄木小公園」に移設されました。
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詳細情報
住所 | 函館市日乃出町25 |
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アクセス情報 |
「啄木小公園」バス停 下車 徒歩1分 |
問合せ先 | 函館市観光案内所 |
電話番号 | 0138-23-5440 |
駐車場 |
無料駐車場あり(10台) |