鯨族供養塔
食用や油の採取を目的に捕えられた鯨(くじら)を供養する石碑や鯨塚は、全国各地に点在していますが、函館にもセミクジラの模型を据えた「鯨族供養塔」があります。遠洋捕鯨会社で船長・砲手を務めた天野太輔さんが、これまで捕獲した鯨の供養のため、自費のほか函館の漁業会社や捕鯨会社からの賛助を受けて、1957(昭和32)年に実行寺や称名寺といった寺院にほど近い千歳坂上に建立しました。
碑文には「明治四十年以来捕鯨ニ従事セシコト二十六年長キニ及ビ其ノ間ニ於ケル捕鯨頭数実ニ二千数百頭ニ達セリ......」と刻まれています。函館での捕鯨の歴史は古く、1857(安政4)年に江戸幕府がジョン万次郎こと中浜万次郎を函館に招聘して捕鯨指導を受けたことも。
セミクジラを模した理由は「鯨族中食用として肉の美味なるを以て最も適当なるが故に捕鯨家の垂涎措く能わざる所なりと雖も今や絶滅に近く日本捕鯨家で僅かに数頭而己の捕獲なり現今にては背美鯨捕獲は絶対禁止到しあり此後数年間は背美鯨の姿を見る事能はざるに到る是を思い此供養塔の頂上に背美鯨の模型を造り安置到せしなり」と記されています。
現在でも年に1度、鯨類に係わる水産業・流通・小売業・消費者・大学研究者がつくる「函館くじら普及協議会」により、鯨族供養祭が執り行われています。
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英語看板
詳細情報
住所 | 函館市弥生町9 |
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アクセス情報 |
「称名寺通」バス停 下車 徒歩2分 |
問合せ先 | 函館市観光案内所 |
電話番号 | 0138-23-5440 |
駐車場 |
周辺に有料駐車場あり |