旧野口梅吉商店
西部地区に現存する「上下和洋折衷様式」の町家で、函館市景観形成指定建築物。1913(大正2)年築。現在は「わらじ荘」として地元学生が共同生活を送り、イベント等も開催。
函館山のすそ野に位置し、歴史的建造物が今も多く残る西部地区の一角、弁天町に現存する函館市景観形成指定建築物、旧野口梅吉商店。弁天町は、北前船による交易に始まり、開港により商都として発展した「箱館発祥の地」といわれる一帯で、海産業を生業とする商店や問屋が軒を連ねていた町。この建物は、1913(大正2)年に店舗・住居併用の米穀店として建てられ、当時の商家の賑わいや異国情緒豊かな景観を今に伝えています。
函館独特の「上下和洋折衷(擬洋風)様式」の町家建築で、特徴はなんといっても、1階・2階を和洋で分けた異国文化が融合する外観です。1階正面には出格子窓の和風意匠を、2階部分は胴蛇腹や軒蛇腹を回してペイント塗りのドイツ式下見張とし、上げ下げ窓で優雅な洋風意匠を……と、和洋それぞれの魅力を放っています。内部は、1階部分に店舗になる土間を設け、2階は書院などを備えた立派な和風座敷になっています。外観に洋を取り入れながらも、内部は和の暮らしを大切にしてきたことが伺えます。
ここ数年は、映画「世界から猫が消えたなら」(2016年公開)のロケ地として使用されたり、北海道渡島総合振興局などが取り組む「木づかいプロジェクト」の一環で地元産道南スギを使った修繕が施され、その後「函館西部地区バル街」の会場のひとつとなったりなど、地域振興の旗印として活用されてきました。
活用の糸口を探りながらも長らく空き家だった旧野口梅吉商店ですが、2019年10月から、地元の学生たちの共同生活の場として本格活用がスタート。「わらじ荘」と名づけられ、高齢化が進む西部地区での交流スペースとしてイベントなども企画され、現在は函館市内のみならず、北海道内外からも広く注目されています。イベント開催等以外は、見学は外観からのみ。
活用の糸口を探りながらも長らく空き家だった旧野口梅吉商店ですが、2019年10月から、地元の学生たちの共同生活の場として本格活用がスタート。「わらじ荘」と名づけられ、高齢化が進む西部地区での交流スペースとしてイベントなども企画され、現在は函館市内のみならず、北海道内外からも広く注目されています。イベント開催等以外は、見学は外観からのみ。
カテゴリー
-
ベイエリア
-
歴史的建造物(外観は見学可)
-
レトロ
-
明治・大正の建物
-
指定文化財等
-
市電から徒歩5分以内
詳細情報
住所 | 函館市弁天町23-5 |
---|---|
アクセス情報 |
市電 「大町」電停 下車 徒歩5分 |
問合せ先 | 函館市都市建設部まちづくり景観課 景観担当 |
電話番号 | 0138-21-3388 |
駐車場 |
なし |
関連リンク |
景観形成指定建築物等一覧(函館市) 旧野口梅吉商店 -わらじ荘- |
旧野口梅吉商店 -わらじ荘- |